Amies Philosophy ー世界観ノ創造ー

世界は物語。物語は雲。世界観の創造は水を雲にすること。世界観は入道雲のように空高く。

時空と虚構のシンセサイズ

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4次元時空は古典的世界観

この世界の次元は4次元時空と言われている。
一方は物理的位置に自由度を与える3次元空間。もう一方は静止した事象に変動を与える1次元時間。
この組み合わせにより、時間軸を介して3次元空間内で自由に運動することが許容された。これが我々のよく知る4次元時空の世界だ。
 
現在は4次元時空の世界観が一般的に認知されている。
しかし、この常識に反して、この世界観は既に過去の産物になってしまっている。
今の次元は4+2i 次元に高次化し、これが新たな世界観なのである。

 

次元とは

そもそも次元とは世界を記述するために必要な概念である。言い換えると、その次元が無ければ世界が成り立たないまたは説明できないということだ。
  • 時間が無くなれば運動は完全に静止し、変化・変動・変位といったあらゆる「変」と言う概念が消滅する。だから、神は世界創生の始めに時間を創造した。そして「変化」を齎した。
  • 空間次元が無くなれば全宇宙の物質は大きさを持たない一点に圧縮され、即ち消滅する。だから、神は時間創造の次に、空間を創造した。時間と共に空間が三次元全方向に広がり、そして箱が形成されていった。
こうして、いまだに光速で膨張する4次元時空の箱庭が出来上がったのである。

 

アインシュタインの世界観

アインシュタインが発見したE=mc^2は4次元時空の世界観を分かりやすく語ってくれている。
エネルギーEの存在は空間や時間の次元を必要としない。
E=mc^2はエネルギーEが質量mや最高速度cの別の形態に変化できることを啓示する式である。
最高速度cを持つ物質で人間が容易に認知できるものは光であるので、cを光速と呼称した方が馴染みやすい。いずれにせよ、cは速度であり、単位はm/sであることから、空間成分と時間成分の合成次元であることが分かる。
従って、E=mc^2を神の言葉で表すと「エネルギーよ、時間と空間(最高速度)を齎せ。ああ、箱がこのまま空では味気ない。質量よ、生まれよ。」となる。

 

ド・ブロイの世界観

だが、このままでは質量の発生に疑問が残る。質量は我々の言う物質がもつ性質であるが、そもそも質量は如何にして生じたのか。(注:質量は物質の動きにくさであり、その動きにくさはヒッグス粒子との作用のしやすさで決まる。しかし、今回の質量とは何かに於いてはそこは重要としない。重要なのは物質の本質は質量をもつことであり、またその質量は創生期にエネルギー視点でどのようなシナリオで生まれたのか、の2点である。)
ド・ブロイの関係式λ=h/mvにこの謎を解く鍵がありそうだ。この関係式より質量はm=h/vλとなる。従って、質量をもつ物質は速度と波長の2成分の特性を持つ何ものかに形態を変え得るということだ。
ここで、物質と反物質の粒子が衝突すると光を放ち粒子は対消滅する。従って、質量成分をもつ物質と、速度・波長の2成分からなる光は等価であり、両者のエネルギー形態は互いに変換が可能であると言える。
即ち、物質は光であり、光は物質なのである。

 

これまでの世界創造物語

ではこれらのことを踏まえて、神の言葉を再度翻訳する。

神は云った
エネルギーよ、時間と空間(最高速度)を齎せ
あゝ、箱がこのまま空では味気ない
まずは光あれ
空間が光で遍く照らされたのを見届けて、続けて神は云った
光よ、質量を携えて、
物質の概念を顕現せよ

 
世界創造物語はこれで完結できたはずだが、世界はそれを選択しなかった。生命を創造したのであった。
 

世界の選択は歴史からの解放

世界は生命を誕生させるために、更なる次元を欲した。それは精間次元である。精間次元とは生命の精神の中にある次元のことだ。精間次元を創り、生命を誕生させた後、柔軟な協力を得意とする生命に進化させるために、人間(じんかん)という次元を世界に加えた。これらの次元は即ち、虚構の次元である。その虚構の主体は記憶であり、(人間で言えば)そこから過去・現在・未来を生み、歴史を生み、神を生み、道徳を生み、国を生み、文化を生み、通貨を生み、社会を生み、それが現代の世界観を構築している。精間次元、人間(じんかん)次元なしに我々の感じる世界観は存在しえない。
世界の意志により新たな次元は生命の誕生と共に生じた。

 

  • 精間と人間(じんかん)が無くなれば、我々が想像し得る世界は消え去る。生物特有の行動も記述できなくなる。夢も、VRも、社会構造も、全てが破綻し、エントロピーの法則やエネルギー安定化則に従う単純な運動から外れた、不規則な運動をする物質の存在が無くなる。だから諸法則に従順な諸物質は同じことを繰り返すだけで、微視的な視点(周期単位内)では変化するが、巨視的な視点では変化がない。神(世界)はそんな世界(アイデンティティー)に面白みを感じなかったため、神の存在領域である精間次元を物質に接続した。それにより、多様で不規則な運動(選択)をする自由意思を持った物質が生まれた。その不規則な自由物質こそ生命の正体である。精間次元の接続部こそが生命の脳なのだ。知性あるホモ・サピエンスは精間次元に加え互いに人間(じんかん)次元を駆使して柔軟な協力のもと、世界の頂点に君臨したのである。
 

新世界観

これで我々の世界を記述する次元は全て出揃った。4次元時空+2i次元精人の新世界。
時空に精と人(じん)が作用したことで、世界の移動手段に新たな選択肢が追加された。
◆空間移動は時間次元を利用するのが通常であるが、2i次元精人を通過することで移動することが可能である。これは記憶の転送と考えればイメージしやすい。時間を置き去りにして空間を瞬間的に移動できる。量子テレポートがこの類だ。
◆タイムトラベルも空間をねじったり曲げたり縮めたりして時間跳躍をしなくても、2i次元精人を利用すれば比較的簡単にできる。記憶をねじったり曲げたり、縮めたりすればいいのである。
過去改変は記憶改変で、未来跳躍は現在から任意の過去まで連続した記憶の忘却により可能となる。

 

神の啓示


脈動せし世界の鼓動
時空が虚構を迎えし時、世界は雷鳴と波動の衝突で震えていた
そして振動が数多に輪廻せし時、母なる次元、跳躍せし
高次化した世界の鼓動を
虚構の凪さに溶け込む最中、
確かにそれを垣間見たのだった

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