時間の上で舟を漕ぐ
無限に等しい無の世界。
その混沌の淀みの中から一点の秩序が生まれた。
生まれた瞬間から時間という資産を携えて
私という器を満たしていく。
資産をどう使うかは個人の自由。
その使い方が個性そのもの。
人生では時間という資産をどう使うかが問われている。
資産。
資産には様々な形態があるが我々が生まれて平等に与えられる資産は時間である。時間を何かで消費しながら私を満たしていく旅。それが人生。
時間は自然に消費されていく。制御を失えばただただ水に流される落ち葉のような運命を辿る。とはいえ、生あるものは必ず時間を経験に変換している。時間という資産を支払い経験を買っている。そしてこの現象は私たちの力では止めることができない流れである。この世の理から外れなければその流れに逆らうことはできない。故に我々は人生の中では流れを受け入れるしかない。いや、人生とはその流れそのものだ。流れの拒絶は死を意味する。
しかし流れの中でも自由の世界は無限に広がり続けている。時間を元手に経験を買うのであれば、その経験を選ぶ(買う)権利は全人類に平等に与えられている。即ちそれは経験を選ぶ自由。とすれば人生の最重要課題とはどのような経験を選択するかである。
経験と資産。
#経験にはいろいろな形態ある。
娯楽。興味。憎悪。嫌悪。運動。恐怖。緊張。快楽。協調。幻想。妄想。共感。感動。後悔。驚愕。怪訝。懐疑。心配。安心。嫉妬。怨恨。思考。苦悩。興奮。恋愛。高揚。
#どの経験を選ぶかで資産の形態が変わる。
恐怖や嫌悪、嫉妬の経験を重視するのであれば
時間を消費することで絶望という資産が蓄積される。
興味や関心、思考の経験を重視するのであれば
時間を消費することで知識という資産が蓄積される。
安心、共感、娯楽、感動、高揚の経験を重視するのであれば
時間を消費することで幸福という資産が蓄積される。
#人生どの経験を重視するかで自分のもつ資産形成が変わる。
その資産のポートフォリオこそがその人固有の世界観をあらわしている。
お金の資産。知識の資産。幸福の資産。
友愛の資産。名声の資産。平凡の資産。
賢人の資産。天才の資産。権力の資産。
強者の資産。絶望の資産。渇望の資産。
愚者の資産。人望の資産。信仰の資産。
※どのような資産を貯めていけば我々の目的が達成されるのだろうか。
目の前に広がる無限の輝き。
奇しくも支払える時間は一定量のため一度に多くを手にすることはできない。瞬間瞬間で一定量しか使えない時間をいかに賢く使うかで資産がどれだけ膨らんでいくかが決まる。一定量の資産を地道に蓄積できた者だけが平凡と言う檻から逃れることができる。
人は効果の見えない小さな継続が苦手である。だから継続しないのは当たり前であり、それ故にその状態が平均で平凡なのである。ならば継続さえできれば平凡から外れ、資産が次第に膨らみ、資産により構成された個性が燦燦と輝くことだろう。平凡な人は時間が消費されるたびに資産が減っていく。経験が新たな資産を生んでいない由々しき状態。負のキャッシュフロー。
一生涯の時間は未来。
現在とは時間から経験への変換点。
経験が資産という形態になって過去へと積み重なる。
その資産を新たな経験に活かしてゆき「時間を資産へ導く方程式」を学び取る。
この鍛錬を続けることで安定的に希少な資産を得ることができる。
そうして積み上げた多彩な資産で前人未到の世界観を創造する。