Amies Philosophy ー世界観ノ創造ー

世界は物語。物語は雲。世界観の創造は水を雲にすること。世界観は入道雲のように空高く。

精神世界より

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精神世界

導入

精神世界。この世にそんな世界はあるのだろうか。いや、この疑問は愚問だ。我々は頭で考え、想像し、自分だけの世界を頭の中で創り出しているではないか。そうだ、精神世界は確かに吾々の内に有る。だが、現状の学問を思い起こすと、勢力が強いのは数学、化学、物理学など物質世界を記述する学問ばかりだ。精神世界を記述する学問があってもいいではないか。そこで、基礎精神世界の学問創立の足掛かりとして、手始めに精間と神間についての概念を考えてみる。

精神世界を記述する精間と神間

精間と神間とは何か。それは物質世界で言う空間と時間のことだ。物質世界を言語化するためには、空間と時間と言う概念が必要となる。空間は物質の位置を記述する上で必要な概念である。時間は物質世界の状態変化を記述するのに必要な概念である。それでは、それぞれに対応した精間と神間について考えていく。

精間

精間とは我々が外部情報を遮断した場合でも現れるイメージの中における空間的な概念であり、ここではイメージを記述する画材紙の様なものである。ただし、精間にはいろいろな状態が混在可能であり、ある一点に複数の状態が重なることもある。

物質世界では物体と物体の間には、互いに近づくと次第に引力が働き、極度に近づき過ぎると斥力が働く。一方で、精神世界では精体*1の間には引力や斥力もなく、物質世界の物理法則と比べて精神世界を構成している精理法則*2の存在が少ない。故に精神世界は自由度が高いが、それ故混沌としている。

神間

神間とは精神世界の状態変化を記述するために必要な概念である。精神状態も一定ではなく、よどみなく変化している。それは物質世界の言い回しを借りるなら、神間が経過していると言える。精神状態の変化が神間という概念を生み、流れる水の如く絶えず変化を繰り返し、神間が経過してゆくという錯覚を生む。時間であろうが神間であろうが状態が変化しなければ停止し、その不変の状態が永久となれば当然概念は失われる。

 

物質世界と精神世界

精神世界からの示唆

気持ちの移ろいを表現する場合は、精間で状態を記述し、変化は神間で表す。物理は我々とその周りの物質を構築する世界を客観的に表現するのに対して、精理は我々の内を主観的に表現する学問である。外部からの情報は全て物理法則に従い、脳に記録される。その記録された情報は次は精理法則に従い、状態変化を繰り返して思想と言う形で外部に現れる。それを言語学の力で何とか文字化にしたものが本である。結局のところ、この世に存在する人間が作り出した物体は精理法則を経た結果と言える。人工物が自然界で異彩を放つのは、そもそもそれが形成された法則が異なるからだ。確かに、人工物は物理法則の範囲内でしか作ることはできないが、その物質の騎乗や構成している成分は自然的発生では存在しえないものとなっている。自然に構築される物質は基本的にエネルギー安定の法則とエンタルピーの増大法則に従ってランダムに形成されている為、その平均から限りなく離れた状態は確率的に多くは存在しない。一方で精神世界の中ではエネルギー安定の法則とエンタルピーの増大法則は働かないので、それらを無視した物質の作成が容易に可能である。即ち、この物質世界に自然界の平均から外れた物体、即ち人工物が多く存在しえるのは、物理法則以外に、精理法則が大きく寄与したためであることは考えるに難しくない理由である。

 

精神世界と地球

精神世界では人の作り出す全てが精理法則の影響下にある。だから地球はもう既に精神世界の色に多少は染まっていると言ってもよい。まだまだ物質世界の方が色濃く残っているが、いずれは全てが精神世界に染まっている可能性すらある。いや、もしかしたら既にそうなっているかもしれない。また、精理法則の産物が地球に存在する全ての生物や水であるとするならば、地球外にある太陽系惑星が岩やガスの塊で無生物なのは至極自然で物理法則純度100%で形成した物体であることはうなずける。逆に地球が異質であることは言うまでもない。ただ、こうなると我々人類が誕生する以前に、どこのだれの精神世界を経て精理法則の恩恵を授かれたのか、疑問が残る。

物質世界で精神世界寄与できているのは

ただ、宇宙外の神の存在を考えないのであれば、宇宙誕生により物質世界が生まれたのと並行して、精神世界も存在したと考えなければ話が成り立たない。重要なのは2つの世界はパラレルで存在していおり、物理法則の範囲内で精神世界にアクセスできるなんらかの理由がなければならない。それはミクロの法則のマクロ化に違いない。ミクロの法則は量子力学といゆ奇妙な法則により記述されている。それらは精神世界の法則であると考える。物質空間にできるどうしようもなく小さな穴を通り抜け、精神世界の精理法則が物質世界に作用したのかもしれない。それによりミクロの物質は物理法則と精理法則の柱で形成している。マクロになるに従がい、微小な穴から漏れ出ているだけの精理法則の寄与は薄くなる。だがそこへ、生物と言う名のミクロ拡張装置が現れた。それはミクロの法則をマクロに拡張できる優れものである。それによって、物理法則が主として働くこの物質世界において、精神世界の精理法則の影響が色濃く表れるのはミクロ拡張装置と言う名の生物が多く存在する地球である。

*1:物質世界で言うところの物体

*2:物質世界で物理法則にあたる

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