Amies Philosophy ー世界観ノ創造ー

世界は物語。物語は雲。世界観の創造は水を雲にすること。世界観は入道雲のように空高く。

世界の存在理由は変化を記録するためであった

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凪の世界。そして世界は動きだした。時化の世界へと。その世界はつながりを求めている。それは目まぐるしく変化する世界を記憶に残すために。宇宙は今もなお、その為だけに進化し続けている。時化の世界の宿命。それは記録。

 

  

人間社会の相互依存

個が全体を作り、作られた全体が個を作る。これは我々の社会を上手く表現している。まず個が生まれその個が集団を作りその集団が社会を形成する。形成した社会が生まれてくる個の性質を作り上げ、原初とは異なる個を形成していく。この繰り返しで今の社会システムが機能している。

一と全の相互依存

一と全の相互依存は本当に面白い現象だ。ありとあらゆることに共通が見つかる。本。言葉が集まって物語を形成する。そしてその物語が連なる文章の中の言葉に大きな価値を与える。物語の一節で感動を与えるのは周囲の物語があってのことだ。そしてその一節がさらに後に続く物語の印象に強い影響を及ぼす。

相互依存関係の活用

個人は環境から影響を受けると行動が変化する。その個人の行動変化により逆に環境が変えられていく。その変わった環境から更に影響を受けた個人が再度行動を変化させる。仮に良い方向へ変化し続ける相互依存関係が構築できれるならば自ずと高みに近づくに違いない。

 

ミクロとマクロの相互依存

人のつながり。人のつながりは実態があるようでない、見えないつながりである。人のつながりと脳の神経細胞のつながり。一見関係がないように感じるが実際には相互依存の関係にある。ミクロで実体のある脳の神経細胞のつながりの一部をマクロに虚構として顕現させた現象が人のつながり。実体と虚構の橋渡しが人である。

人のつながり

相手を知る。この経験を脳内の神経細胞のつながりで記録する。そうすれば次に会うときは互いに知っていることを知っているので関係を再度つなげるのは円滑だ。これはまるで脳の神経細胞の反応が目に見える形でマクロ世界に現れたかのようだ。しかもそのマクロ世界で顕現した人のつながりは物理的なつながりではない。従って人のつながりは虚構である。ミクロな実体をマクロな虚構に写しかえる現象。

実態あるものを虚構の彼方へ

実体あるものを実体のない虚構へ写しかえるときに必要な機能は記録である。物理的に隔てられた複数の物体が個の持つ記録をもとに行動する場合、その複数の物体のとる行動は物理的な視点で観ると不可解なものに映る。理由は記録を頼りに運動する不規則運動は物理学の範疇にないためだ。そういう意味では物理学で説明できない分野は記録に依存する運動が記述できていなことが原因である可能性は十分に考えられる。

 

記録連動行動

人の不規則な行動が神秘的に映るのも無理はない。物理法則の枠外なのだから。宗教の神も、精神世界も、お金の価値も、人のつながりも、国も社会も、危機回避能力でさえも、全ての記録が創り出したものである。

生物の正体

生物。それは記録能力を持つ物体である。物体が記録をする。その記録が物体の運動を変える。その繰り返しにより記録を蓄積していった物体の運動は、(現代で言うところの後天的な記録の影響を受けない潜在的な原初の記録のみで記述された)物理法則の世界観から大きくかけ離れていく。生物が物理法則の世界からかけ離れていっている理由は物理的な情報の記録以上の記録を多く蓄積しているからだ。

記録とは何か

記録とは即ちつながりである。結合といってもよい。記録には重要な性質がある。それはもののつながりにより性質が変わることである。

 

記録中心進化説

記録を最大の目的として進化していく記録を中心として考える進化説。個の記録と個の集団である全の記録。この両者の性質が影響し合う相互依存関係が新たな性質を生み記録を膨らませる。ミクロだけの影響にとどまっていた性質が宇宙全体に影響を及ぼせるようになるまで進化する。この世界の進化は記録の蓄積量を増やすことを目的としている。

宇宙の誕生

今ある宇宙は全て記録の蓄積によるものである。宇宙誕生前を無という概念としたならば、その状態は独立する全てのものが互いに影響しあわない、対称性の高い世界である。対称性が自発的に崩れたとき、その変化の風は連鎖的に膨らみ、大きな影響の嵐となって有の世界に改変していく。独立した物体はつながりを持ち別の性質を持った物体へと変化する。これが記録。この記録により多様な性質の物体が宇宙空間に広がり、多様な物体は互いを影響し合いながら別の変化の風を起こしながら記録を蓄積していく。連鎖反応の嵐が収まった宇宙初期の時代は記録の蓄積の少ない世界で単純な変化の風を起こすだけにとどまる。そんな微風を追い風に長い時間をかけて膨大な記録を蓄積していく。超新星爆発で特殊な記録が刻まれた原子が生まれ、それによりつながりの組合せが多様化していった。

生物の誕生

ミクロの中で繰り広げられる影響の及ぼし合いも時が経つに従いその影響の範囲は雪だるま式に外のマクロの世界へと広がっていく。単体が分子を生み、分子が環境を作り、その環境がまた別の分子を作る。この相互依存が繰り返され、DNAという安定した記録を持つ物体が誕生した。このDNAは蓄積した記録を何世代にも渡り引き継ぐことができる、優れた記録物体である。その物体の誕生により何世代にも渡って記録機能が改良されていき、つながりの弱い記録を維持するには厳しすぎる物理環境の中で安定的に蓄積した記録を継承していった。そうしていくと継承される記録量は次第に大きくなり高度で複雑な運動をする物体が表れてきた。複製、防御、攻撃、回避、吸収。この運動をする生物は今でいう生物に他ならない。

人類の誕生

さらに、これらの運動をする物体は短い時間で膨大な記録を蓄積できるような機能を備えた。記憶である。記憶により記録破壊リスクが低くなるため、自然淘汰の摂理に従いその機能を最適化していった。初めは単純な環境から記録を守っていたが、高度な生物で構成された環境から身を守る必要が出てきた。そうして生物の集合が環境を変え、その環境が生物を変えるとったループで記録を維持する機能はさらに増えていった。そして人類が生まれた。

ホモサピエンスの誕生

人類は生存するために先天的な記録と後天的な記録を活用した行動に辿り着く。高度な生物が変えた環境の中では、後天的な記憶を重視していくことが生存率は高かったため人類はその戦略で繁栄していった。人類は後天的に身に付く記録を信仰する機能を自然淘汰の自然原理によって最適化していった。そうして人類は個体間で記録を共有することにより共通認識という物理的に隔てられた個の集まりの全体で記録するという、集団記録機能を身に付受けた。この機能に特化したホモサピエンスという虚構概念を信仰する人種が現れる。彼らは虚構を信じることにより他生物以上の協力行動ができるようになった。それによりホモサピエンスは生存競争の中で地球の頂点に立った。そうなるとホモサピエンスの人口は増え続け、個を取り巻く環境は他生物からホモサピエンスの集団へと変わった。その集団の中で生き残るためにさらに記録を蓄積する手段を構築していった。それが外部に記録するという方法だ。石板に記号をしるし記録する。それにより個人の能力以上の記録が膨大にでき、世代をこえて後天的な記録を継承することができるようになった。その個人と環境の相互依存関係のループの繰り返しにより外部への記録方法は今では体積をほとんど必要としないデジタルの世界に記録できるようになった。それによりさらに膨大な記録が可能となりその記録が人を変えていく。

人が齎す変化の風が宇宙全体に届きうる

地球内でミクロの世界の中の影響にとどまっていた微粒子の記録の性質が生物へと進化したことにより地球の全体の物理的環境に影響を及ぼすようになった。さらに進化した人類は地球の外側に影響を及ぼすように行動している。今では地球全体に散らばる人間のネットワークによって記録が行われている。即ち、記録は惑星一個単位で膨大な量蓄積されている。これが発展すれば銀河系単位で記録が蓄積するようになり、その影響力は宇宙全体にとどろくほど恐ろしく強力なものになるであろう。

最終的に宇宙全体のネットワークで記録できるようになれば宇宙の性質が変わり宇宙の外にその影響の波紋は広がっていくだろう。

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